专利摘要:

公开号:WO1992010568A1
申请号:PCT/JP1991/001714
申请日:1991-12-13
公开日:1992-06-25
发明作者:Shoji Tsuji;Tadashi Miyatake;Yoko Uchida;Yasuo Ihara
申请人:Shoji Tsuji;Tadashi Miyatake;Yoko Uchida;Yasuo Ihara;
IPC主号:C07K14-00
专利说明:
[0001] 明 細 書
[0002] 神経栄養活性抑制物質をコードする D N A
[0003] およびその用途
[0004] [技術分野]
[0005] 本発明は、 神経栄養活性抑制作用を有する蛋白質 (以下 G I Fと いう) をコードする D NA、 該 DN Aを含む組換えベクター、 該べ クタ一を保持する形質転換体および該形質転換体を培地に培養する ことを特徴とする G I Fの製造法である。 さらに本発明は、 G I F 遺伝子のプロモーター領域を有する組換え D N A、 および該組換え D N Aを含む組換えベクターならびに該組換えベクターを保持する 形質転換体に関する。
[0006] [背景技術]
[0007] 高齢化社会の中で、 老人性痴呆は、 大きな関心を集め、 その予防 と治療には、 多くの努力が払われてきた。 特に、 アルツハイマー ( A l z h e i m e r ) 病と言われる老人性痴呆は、 初老斯 ( 50〜60才) に来ることが多く、 その原因の究明と治療法の確 立が急がれている。
[0008] 現在までに得られた知見によれば、 アルツハイマー病は、 老人 斑、 神経原線維変性などの病理学的特徴と、 進行性痴呆という臨床 的特徴を有する器質性疾患であり、 ニューロンの代謝の亢進や異常 な再生が関与していると考えられている。
[0009] しかしながら、 従来、 アルツハイマー病の有効な予防法や治療法 は、 見出されておらず、 その確立が要望されている。
[0010] [発明の開示] 本発明の課題は、 アルツハイマー病の遺伝子診断に役立つこと、 および該疾患の治療に有効な新規蛋白質である G I Fの製造と、 製 造に有用な該蛋白質をコードする遺伝子を提供することである。 さ らに本発明は、 該疾患の治療薬の開発に有用な G I F遺伝子のプロ モータ一領域も提供する。
[0011] 本発明者らの一人は、 ァルツハイマ一病患者の脳中成分を研究す る過程で、 正常人の脳中には存在するが、 アルツハイマー病患者の 脳には存在しなくなる新規な蛋白質であって、 神経栄養活性抑制作 用があるものを見出し、 この蛋白質 G I Fを取り出すことに成功し た。
[0012] すなわち、 この蛋白質は、 ヒ ト脳組織より抽出された抽出液をそ のまま、 又は、 濃縮したのち、 限外ろ過、 イオン交換クロマトグラ フィ一、 ゲルろ過、 高速液体クロマトグラフィーなどの操作を組合 せて、 具体的には、 例えば、 下記の実施例に示される手法により精 製、 採取することができる。
[0013] かく して得られた本発明の新規蛋白質 G I Fは、 以下の特性を有 する。
[0014] 分子量 :約 5, 0 0 0 ( S D S -ポリアクリルアミ ドゲル電 気泳動法による)
[0015] 性状 : 白色無定形粉末
[0016] 安定 pH範囲 : 3 . 0〜 7 . 7
[0017] 熱安定性 : 3 7 °Cで 2 0時間保温又は 1 0 0でで 5分間加熱し ても神経栄養活性抑制作用を保持する。
[0018] :*発明の新規蛋白質 G I Fの生理活性、 すなわち、 神経栄養活性 抑制作用は、 下記試験例に示す方法で測定した。
[0019] さらに、 この新規蛋白質 G I Fの全アミノ酸配列を、 下記実施例 に示す方法により決定した。 その結果、 本物質は、 下記の全ァミノ 酸配列を有することがわかった。 配列の長さ 68
[0020] 配列の型 アミノ酸
[0021] トポロジー 直鎖状 (ただし、 高次構造は直鎖ではない複雑な構 造をしている)
[0022] 配列の種類 ぺブチド (蛋白)
[0023] 起源 ヒ ト脳組織抽出物
[0024] 配列
[0025] Met Asp Pro Glu Thr Cys Pro Cys Pro Ser Gly Gly Ser Cys Thr Cys
[0026] 10 15
[0027] Ala Asp Ser Cys Lys Cys Glu Gly Cys Lys Cys Thr Ser Cys Lys Lys
[0028] 20 25 30
[0029] Ser Cys Cys Ser Cys Cys Pro Ala Glu Cys Glu lys Cys Ala lys Asp
[0030] 35 40 45
[0031] Cys Val Cys Lys Gly Gly Glu Ala Ala Glu Ala Glu Ala Glu Lys Cys
[0032] 50 55 60
[0033] Ser Cys Cys Gin
[0034] 65 68 下記試験例によっても示されるように、 この新規な蛋白質 G I F は、 神経栄養活性抑制作用を示し、 アルツハイマー病の診断、 予防 又は治療に用いて有効な物質であることが判るが、 この物質は、 ヒ 卜脳中に存在する微量物質であるため、 このままでは、 これを実際 的に利用することはできない。
[0035] そこで、 本発明者らは、 この新規な蛋白質の産生を司っている遺 伝子を見出し、 これを用いて、 遺伝子工学的な手法により、 この新 規蛋白質 G I Fを大量に生産し、 これを用いることにより、 ァルツ ハイマー病の診断、 予防及び治療を行なうことを考え、 鋭意研究を 行なった結果、 この蛋白質をコードする遺伝子 (全長 DNA) を見 出し、 その D N Aの塩基配列を決定することに成功した。
[0036] 本発明の遺伝子の分離と、 その塩基配列の決定は、 例えば、 下記 実施例に具体的に示す方法によって行なうことができる。
[0037] かく して決定された、 ヒ 卜脳中の G I Fをコードする D N Aの塩 基配列は次のとおりであった。
[0038] ATG GAC CCT GAG ACC TGC CCC TGC CCT TCT GGT GGC TCC TGC ACC TGC 48
[0039] GCG GAC TCC TGC AAG TGC GAG GGA TGC ΛΛΛ TGC ACC TCC TGC AAG AAG 96
[0040] AGC TGC TGC TCC TGC TGC CCT GCG GAG TGT GAG AAG TGT GCC AAG GAC 144 GT GTG TGC AAA GGC GGA GAG GCA GCT GAG GCA GAA GCA GAG AAG TGC 192 GC TGC TGC CAG 204
[0041] 上記 D NAを用いて、 組換えベクターを作製し、 これを宿主に導 入して形質転換体を作製する方法を以下に詳述する。
[0042] D N A をブラ ス ミ ド に組み込む方法と しては、 例えば、 δ
[0043] T.Maniatisら 、 モ レ キ ュ ラ ー ' ク ロ ーニ ング ( Molecular Cloning ) コールド ' スプリ ング ' ハーバー ' ラボラ ト リー (Cold Spring Harbor Laboratory ) 239 ( 1 982 ) に記載の方法な どが挙げられる。
[0044] クローン化された遺伝子は、 発現に適したビークル (ベクター) 中のプロモーターの下流に連結して発現型組換えベクターを得るこ とができる。
[0045] ベクターと しては、 大腸菌由来プラスミ ド (例えば、 P B R
[0046] 3 22、 p B R 325、 p U C 1 2、 pUC 1 3 ) 、 枯草菌由来プ ラスミ ド (例えば、 pU B 1 1 0、 p T P 5、 p C 1 94 ) 、 酵母 由来プラスミ ド (例えば、 p S H 1 9、 p S H 1 5 ) 、 あるいは んファ一ジなどのパクテリオファージおよびレトロウイルス、 ワク シニアウィルスなどの動物ウィルスなどが挙げられる。
[0047] 該遺伝子はその 5 ' 末端に翻訳開始コ ドンとしての A T Gを有 し、 また 3' 末端には翻訳終止コ ドンとしての T A A、 T GAまた は TA Gを有していてもよい。 さらに該遺伝子を発現させるにはそ の上流にプロモーターを接続する。 本発明で用いられるプロモー ターと しては、 遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロ モーターであればいかなるものでもよい。
[0048] また、 形質転換する際の宿主がエシ リキア属菌である場合は、 T 7プロモーター、 t r pプロモーター、 l a cプロモーター、 r e c Aプロモーター、 え P Lプロモーター、 £ P Pプロモー ターなどが ; 宿主がバチルス属菌である場合は、 S Ρ 0 1プロモー ター、 S P 02プロモーター、 p e n Pプロモーターなど : 宿主が 酵母である場合は、 P H 0 5プロモーター、 P G Kプロモーター、 GA Pプロモーター、 A D Hブロモータ一などが好ましい。 と りわ け宿主がェシェリキア属菌でプロモーターが t r pプロモーターま たは; L P Lプロモーターであることが好ましい。
[0049] 宿主が動物細胞である場合には、 S V 40由来のプロモータ一、 レ卜ロウィルスのプロモーターなどが挙げられ、 とりわけ S V 40 由来のプロモーターが好ましい。
[0050] このようにして G I Fをコードする塩基配列を有する D N Aを含 む組換えベクターを用いて、 該ベクターを保持する形質転換体を製 造する。
[0051] 宿主としては、 例えばェシヱリキア属菌、 バチルス属菌、 酵母、 動物細胞などが挙げられる。
[0052] 上記ェシエ リ キア属菌の例と しては、 ェシエ リ キア · コ リ
[0053] (Escherichia coli) K 1 2 D H 1 [プロシージングス · ォブ ' ザ
[0054] • ナショナル · アカデミー · ォブ ' サイエンス (Pro Natl. Acad. Sci.USA ) 6_0. 1 6 0 ( 1 968 ) ] 、 J M 1 0 3 [ヌクレイツ ク · ァシッズ · リサーチ (Nucleic Acids Research) 9.. 3 0 9
[0055] ( 1 9 8 1 ) ] 、 J A 2 2 1 [ジャーナル ' ォブ ' モレキュラー ' ノ ィ才 αジー ( Journal of Molecular Biology) 1 2 0. 5 1 7
[0056] ( 1 9 78 ) ] 、 H B 1 0 1 [ジャーナル ' ォブ ' モレキュラー ' バイオ口ジー, 45 9 ( 1 9 6 9 ) 】 、 C 6 0 0 [ジエネテ イ ツクス ( Genetics) 3_9. 44 0 ( 1 9 5 4 ) ] 、 MM 2 9 4
[0057] [ (Proc.Natl. Acad. Sci.USA) 73. 4 1 74 ( 1 9 7 6 ) ] など が挙げられる。 上記バチルス属菌と しては、 例えばバチルス · ズブチルス ( Bacillus subtills) M I 1 1 4 [ ( ジー ン . . 2 5 5 ( 1 9 8 3 ) ] 、 2 0 7 - 2 1 [ジャーナル ' ォブ ' バイオケミス ト リー (Journal of Biochemistry) 9 5. 8 7 ( 1 9 84 ) ] など が挙げられる。
[0058] 上記酵母と しては、 例えばサッカロマイセス ' セレビシァェ ( Saccharomyces cerevisiae) A H 2 2 R― 、 N A 8 7 - 1 1 A , D Κ D— 5 Dなどが挙げられる。
[0059] 動物細胞としては、 例えばサル細胞 C O S— 7、 V e r o、 チヤ ィニーズハムスター細胞 C H 0、 マウス L細胞、 ヒ ト F L細胞など が挙げられる。
[0060] 上記ェシヱ リキア属菌を形質転換するには、 例えば Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 6_9 , 2 1 1 0 ( 1 9 2 ) 、 ジーン . J_l . 1 0 7 ( 1 9 8 2 ) などに記載の方法に従って行なわれる。
[0061] バチルス属菌を形質転換するには、 例えばモレキュラー ' ア ン ド • ジ ェ ネ ラ ル · ジ エ ネテ ィ ッ ク ス ( Molecular & General Genetics) . 1 68. I l l ( 1 9 7 9 ) などに記載の方法に従つ て行なわれる。
[0062] 酵母を形質転換するには、 例えば Proc. Natl. Acad. Sci. USA 7 5 ; 1 9 2 9 ( 1 9 78 ) に記載の方法に従って行なわれる。 動物細胞を形質転換するには、 例えばヴイ ロロジー (Virology) 5 2. 4 5 6 ( 1 9 7 3 ) に記載の方法に従って行なわれる。
[0063] このようにして、 G I Fをコードする塩基配列を有する D Ι' Aを 含む組換えべクタ一を保持する形質転換体が得られる 該形質転換体を培地に培養することにより G I Fが産生される。 宿主がエシ リキア属菌、 バチルス属菌である形質転換体を培養 する際、 培養に使用される培地としては液体培地が適当であり、 そ の中には該形質転換体の生育に必要な炭素源、 窒素源、 無機物その 他を含有させる。 炭素源としては、 例えばグルコース、 デキス ト リ ン、 可溶性澱粉、 ショ糖など、 窒素源としては、 例えばアンモニゥ ム塩類、 硝酸塩類、 コーンスチープ ' リカ一、 ペプト ン、 カゼィ ン、 肉エキス、 大豆粕、 バイ レショ抽出液などの無機または有機物 質、 無機物としては例えば塩化カルシウム、 リ ン酸二水素ナ卜 リウ ム、 塩化マグネシウムなどが挙げられる。 また、 酵母、 ビタミ ン 類、 成長促進因子などを添加してもよい。
[0064] 培地の pHは約 6 〜 8が望ましい。
[0065] ェシエリキア属菌を培養する際の培地としては、 例えばダルコ一 ス、 カザミノ酸を含む M 9培地 [ Miller. ジャーナル · ォブ · ェク スペリメ ンッ · イ ン ' モレキュラー · ジェネティ ックス ( Journal of Experiments in olecular Genetics) 4 3 1 — 4 3 3 · Cold Spring Harbor Laboratory, New York ( 1 9 7 2 ) ] 力 J '好ましレ、。 ここに必要によりプロモータ一を効率よく働かせるために、 例えば 3 |3—インドリル アク リル酸のような薬剤を加えることができ サ 宿主がェシェリキア属菌の場合、 培養は通常約 1 5 〜 4 3でで約 3 〜 2 4時間行ない、 必要により、 通気や撹拌を加えることもでき る。
[0066] 宿主がバチルス属菌の場合、 培養は通常約 3 0 〜 4 0 °Cで約 6 〜 2 4時間行ない、 必要により通気や撹拌を加えることもできる。 宿主が酵母である形質転換体を培養する際、 培地と しては、 例え ばバークホールダー (Burkholder) 最小培地 [ Bostian. K.しら、 Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 7 7. 4 5 0 5 ( 1 9 8 0 ) ] が挙げら れる。 培地の pHは約 5〜8に調整するのが好ましい。 培養は通常約 2 0で〜 3 5でで約 2 4〜 7 2時間行ない、 必要に応じて通気ゃ撹 拌を加える。
[0067] 宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、 培地としては、 例えば約 5〜 2 0 %の胎児牛血清を含む M E M培地 [サイエンス (Science) 1 2 2. 5 0 1 ( 1 9 5 2 ) ] 、 D M E M培地 [ヴィ 口 口ジ一 (Virology) 8.. 3 9 6 ( 1 9 59 ) ] 、 R P M I 1 64 0 培地 [ジャーナル · ォブ · ザ · アメ リ カ ン ' メディ カル ' ァソシ エーショ ン (The Journal of the American Medical Association) 1 9 9. 5 1 9 ( 1 9 6 7 ) ] 、 1 9 9培地 [プロシーデイ ング . ォブ · ザ ' ソサイエティ · フォー * ザ * バイオロジカル · メディ ス ン ( Proceeding οτ the society for the Biological Medicine) 7 3. 1 ( 1 9 50 ) ] などが挙げられる。 pHは約 6〜8であるの が好ま しい。 培養は通常約 3 0〜 4 0 °Cで約 1 5〜 6 0時間行な い、 必要に応じて通気や撹拌を加える。
[0068] 上記培養物から G I Fを分離精製するには、 例えば下記の方法に より行なうことができる。
[0069] G I Fを培養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、 培養 後、 公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、 これを塩酸グァニジン などの蛋白質変性剤を含む緩衝液に懸濁して菌体外に目的の蛋白を 溶出させる方法、 フレンチプレス、 超音波、 リゾチームおよび (ま たは) 凍結融解によって菌体あるいは細胞を破壊したのち、 遠心分 離により G I Fを得る方法などが適宜用い得る。 と りわけ、 リゾ チームと超音波処理を併用する方法が好ましい。
[0070] 上記上澄液から G I Fを精製するには、 それ自体公知の分離、 精 製法を適切に組み合わせて行なうことができる。 これらの公知の分 離、 精製法としては、 塩析ゃ溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方 法、 透析法、 限外ろ過法、 ゲルろ過法、 および S D S —ポリアクリ ルアミ ドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する方 法、 イオン交換クロマ トグラフィーなどの荷電の差を利用する方 法、 ァフィ二ティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用 する方法、 逆相高速液体クロマ卜グラフィーなどの疎水性の差を利 用する方法、 等電点電気泳動法などの等電点の差を利甩する方法な どが挙げられる。
[0071] このようにして得られた製品は、 透析、 凍結乾燥を行ない、 乾燥 粉末とすることもできる。 さらに、 担体として血清アルブミンなど を添加して保存することは、 製品の容器への吸着を防ぐことができ 好適である。
[0072] また、 精製過程あるいは保存過程での微量の還元剤の共存は、 該 製品の酸化を防ぐのに好適である。 還元剤としては /3—メルカプト エタノール、 ジチオスレィ トール、 グルタチオンなどが挙げられ る。
[0073] このようにして、 実質的にパイロジェンもエン ド トキシンも含ま ない、 実質的に純粋な G I Fが得られる。 該実質的に純粹な G I F としては、 蛋白質含量として G I Fを 9 0 % (w/w)以上含むもの、 さらに好ましくは G I Fを 9 5 % (w/w)以上含むものである。
[0074] 本発明の G I Fを医薬として用いるには、 そのまま粉末として、 または他の薬理学的に許容されうる担体、 賦形剤、 希釈剤と共に医 薬組成物 (例えば、 注射剤、 錠剤、 カプセル剤、 液剤、 軟膏) とし て、 温血動物 (例えば、 ヒ ト、 マウス、 ラッ 卜、 ハムスター、 ゥサ ギ、 犬、 ネコ) に対して非経口的または経口的に安全に投与するこ とができる。
[0075] 注射剤の製剤化は、 例えば生理食塩水またはブドウ糖やその他の 補助剤を含む水溶液を用い、 常法に従って行なわれる。 錠剤、 カブ セル剤等の医薬組成物も常法に従って調製しうる。
[0076] 本発明の G I Fを上記した医薬として用いる場合には、 例えば上 記した温血動物に、 投与ルー卜、 症状などを考慮して、 1 日量約 1 ngないし 1 0 0 rag/kg の中から適当量を選んで投与する。
[0077] G I Fは正常人の脳で特異的に産生される。 従って G I F遺伝子 のプロモーターは脳で特異的に作動することが期待できる。 そこで 本発明者らは脳で特異的に作動するプロモーターを取り出すことを 目的として、 G I F c D N Aをプローブとして G I Fゲノム遺伝子 をクローニングし、 G I Fプロモーターを見い出すこ とに成功し た。
[0078] このような G I Fのプロモーター領域を有する組換え D N Aを含 む組換えベクターにおいて、 G I Fプロモーターを組み込む組換え 用ベクターと しては、 特に限定されないが、 例えば p C Dべク ター、 C D M 8ベクター [Aruffo. A. と Seed. B.,プロシ一ジングス ' ォブ ' ザ ' ナショナル ' アカデミー ' ォブ ' サイエンス ( Proc. Natl. Acad. Sci. USA) 84. 8 5 73 - 85 77 ( 1 9 8 7 ) ] 、 レ 卜ロウィルスべクタ一 [Cone. R. D. Mulligan, R. C, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 8 1 - 634 9— 6 3 5 3 ( 1 9 84 ) ] など動物 細月包用のもの、 U C [ Vieira. J. と Messing 丄 , Methods in
[0079] Enzymology 1 5 3. 3 - 1 1 ( 1 9 8 7 ) ] など大腸菌用のもの などが挙げられる。
[0080] 組換えベクターにおいて、 プロモータ一領域の下流に連結される 構造遺伝子としては、 種々の遺伝子産物の脳における中枢神経系で の機能を知るためのポリぺブチドをコ一ドする構造遺伝子が挙げら れる。
[0081] その例としては、 例えば神経細胞成長因子 (N G F ) 、 塩基性線 維芽細胞成長因子 (basic F G F ) 、 酸性線維芽細胞成長因子 (acidic F G F ) などの神経栄養因子を始めとする他の成長因 子、 リ ンホカインなどが挙げられる。
[0082] 上記構造遺伝子として、 後述のレポーター遺伝子を用いてもよ い。 レボーター遺伝子としては、 C A T (クロラムフエ二コール ' ァセチル . トランスフェラ一ゼ遺伝子、 アルカ リホスファターゼ遺 伝子の他に、 /3ガラク トシダーゼ遺伝子が汎用されているが、 他の いかなる構造遺伝子であっても、 その遺伝子産物の検出法があれば 使用できる。
[0083] 上記構造遺伝子をベクターに組み込むには、 プロモーター領域の 下流に存在する適当な制限酵素切断部位に、 上記構造遺伝子が正し く転写される方向に連結すればよい。 上記組換えベクターによ り形質転換する宿主と しては、 動物細 胞、 特にグリア細胞や脳神経系の細胞が用いられる。 また動物個体 への D N A移入への一過程と しての卵細胞、 あるいは E S細胞 [ Evans. M.丄 と Kaufman. Κ. Η· , ネイチヤー (Nature). , 2 9 2. 1 54 ( 1 9 8 1 ) ] も使用できる。
[0084] これらの細胞の形質転換の方法としては、 リ ン酸カルシウム法 [Grahamら、 ヴィ ロロジー (Virology) 5 2. 4 5 6 ( 1 9 7 3 ) ] 、 エレク トロボレーシヨ ン法 [石崎ら、 細胞工学, . 5 5 7 ( 1 9 8 6 ) ] 、 マイクロイ ンジェクショ ン法などが用いられる。 本発明のプロモーターを用いることにより、 脳神経系などの細胞 に、 前記のような種々のボリぺブチドを作らせることができる。
[0085] また上記構造遺伝子として m y c、 r a sをはじめとした癌遺伝 子を用いると、 得られたベクターを動物 (例えば、 マウス、 ラッ ト、 ィヌ、 ネコ) に投与し、 該動物の脳神経系において、 癌をはじ めとする特定の病変をひき起こさせた疾患モデル動物を製造するこ とができる。
[0086] さらに、 上記構造遺伝子が脳の遺伝的疾患 (例えば、 ァルツハイ マー病、 パーキンソン病) の治療に役立つペプチドをコードするも のである場合には、 本発明の組換えべクタ一を直接、 哺乳動物 (例 えば、 マウス、 ラッ ト、 ィヌ、 ネコ、 ヒ ト) の脳内に投与、 あるい は培養した脳由来細胞に組換えベクターを導入した後に、 脳内に移 植することにより、 該疾患の治療を行なうことができる。
[0087] また、 癌抑制遺伝子を構造遺伝子と して組換えベクターを構築 し、 該ベクターを腫瘍細胞に直接導入することによ り、 脳腫瘍の治 療を行なうことができる。
[0088] またさらに、 本発明のプロモーターが、 脳神経系の細胞におい て、 特定の化合物によりプロモーター活性のコントロールが行なわ れることが分かれば、 特定の化合物を生体の脳に到達するように投 与した場合、 該特定の化合物のプロモーター活性のコントロール能 を知ることができるので、 該化合物が脳内における G I F遺伝子の プロモーターを活性化し、 脳内において G I Fの産生量を増大さ せ、 これによりアルツハイマー型痴呆症の治療を行なうことができ る。
[0089] 上記形質転換体は、 該特定の化合物の存在下に培養し、 培養物中 の遺伝子産物の量を測定し比較することにより、 該化合物のプロモ 一ター活性のコントロール能を知ることができる。
[0090] 該形質転換体の培養はそれ自体公知の方法で行なう。 培地として は、 例えば約 &〜 2 0 %の牛血清を含む M E M培地 [サイエンス
[0091] ( Science) 1 2 2. 5 0 1 ( 1 9 52 ) ] 、 D M EM培地 [ヴイ ロ 口ジ一 (Virology) 8.. 3 9 6 ( 1 9 5 9 ) ] 、 R P M I 1 640 培地 [ザ ' ジャーナル ' ォブ ' ザ ' アメリカン · メディカル · ァソ シエー シ ヨ ン ( The Journal of the American Medical Association) 1 9 9. 5 1 9 ( 1 9 6 7 ) ] 、 1 9 9培地 [ブロシ —ジング ' ォブ · ザ · ソサイエティ · フォー · ザ · バイオロジカ ル , メアイ スン ( Proceeding of the Society for the Biological
[0092] Medicine) 73. 1 ( 1 9 5 0 ) ] などが挙げられる。 pHは約 6〜 8であるのが好ましい。 培養は通常約 3 0〜4 0 °Cで約 1 5〜6 0 時間行ない、 必要に応じて通気や撹拌を加える。 [産業上の利用可能性]
[0093] 本発明は、 アルツハイマー病の遺伝子診断に役立ち、 さらには、 直接的に該遺伝子を脳細胞に導入することによりアルツハイマー病 の治療に用いうることが期待される。 さらには、 この神経栄養活性 抑制作用を有する蛋白質 (G I F) をコードする D NAは、 遺伝子 工学的手法によりこの蛋白質の生産を可能にする形質転換体を得、 これを培養するこ とによ り G I Fを大量生産することができる。 さらに、 G I Fプロモーターを用いて該疾患の治療薬を開発するこ とができる。
[0094] 以下、 本発明を実施例に基づき、 さらに詳しく説明する。
[0095] 実施例 1 本物質の分離、 精製
[0096] 正常ヒ 卜大脳皮質の灰白質 20 gに水 6 Omlを加え、 ホモジナイ ズし、 2 0, 0 0 0 gで 1時間遠心した後、 遠心上清を 5 5 ml得 た。
[0097] 得られた上清 55 mlをアミコン YM— 1 0膜 (商品名) を用いて 限外ろ過し、 分子量 1 0キロダルト ン以上の画分を D EA E—セ フ ァセルカラム ( 1 . 6 cm0 X 1 6 cm、 フ アルマシア社製) にの せ、 洗浄バッファ一 ( 50 mMN a C 1 20mMト リスー H C 1 ( H 7. 6 ) ) 20 Omlで洗浄後、 50 mMから 300 mM N a C 1の直 線濃度勾配をつけた 20 niMト リスー H C 1 (PH7. 6 ) バッファ一
[0098] 320 mlで抽出した。 上記 D EA E—セファセルカラムによるクロ マトグラムを図 1に示す。 フラクショ ン No. 3 1から No. 38まで の抑制活性を有する分画を集め ( 4 0ml) 、 透析後、 フイ コール
[0099] 400を用いて濃縮後、 T S K G 2 000 S ( トーソ一社製) でゲルろ過 (カラムサイズ 7 . 5 ηιπιφ X 6 cm) し、 フラクショ ン No. 3 0から No. 3 2の活性画分を集め ( 2. 5 ml) 、 5 mMリ ン酸 バッファ一 (pH7 . 4 ) 中で透析した。 上記 T S K G 2 0 0 0 S Wを用いたゲルろ過クロマトグラフィ一の結果を図 2に示す。 液 量を 5 5 0 t 1 まで濃縮後、 C 1 8逆相 H P L Cカラム ( 4. 6 mm φ X 2 5 cm, センシユー化学社製) にかけた。 溶出には、 0 %から 8 0 %ァセトニト リルの直線勾配をつけた 5 mMギ酸アンモニゥム溶 液を用いた。 この C 1 8逆相 H P L Cクロマトグラフィ一の結果を 図 3に示す。 図 3に示されるように、 C 1 8逆相 H P L Cクロマ 卜 グラフィ一によりシャープなビークが実質的に 1つだけ得られ、 本 発明の物質 G I Fが単離されたことがわかる。
[0100] 実施例 2 特性測定
[0101] 実施例 1で得られた物質について下記の ¾々の特性を測定した。
[0102] ( 1 ) 紫外部吸収スぺク ドル
[0103] 実施例 1で得られた物質 3 I gの蒸留水溶液を用いて分光光度計 (ベックマン社製 D U 6 5型) で紫外部吸収スぺク トルを測定し た。 結果を図 4に示す。
[0104] ( 2 ) 安定性
[0105] 実施例 1で得られた物質を 2 0 gZmlの水溶液に調整し、 その 1 0 1 にト リフルォロ酢酸を最終濃度 0 . 1 %となるように加え (pH3 . 0 ) 、 3 7でで 2 0時間加温した後、 凍結乾燥した。 これ を、 ダルべコ社製リン酸バッファ一 ( P B S (—) ) 1 0 μ 1 に溶 解し、 下記実施例 3に示す方法で抑制活性を測定したが、 活性の抑 制活性の減少は全く認められなかった。 さらに、 実施例 1 で得られ た物質の 2 μ. gZml水溶液の Ι Ο Ο μ Ι をと り、 3 7 eCで 2 0時間 又は 1 0 0 で 5分間加熱した後、 この溶液の 1 0 1 を用いて、 前述と同様にして安定性試験を行なつたところ、 全く抑制活性の減 少が認められなかった。
[0106] ( 3 ) 分子量
[0107] 実施例 1 で得られた物質 5 μ gを水 1 0 μ 1 に溶解し、 分子量 マーカー (キモ卜 リプシノーゲン Α (分子量 2 , 5 0 0 ) , チトク ロ ム C (分子量 1 2 , 5 0 0 ) , ア ブ口 チ ュ ン (分子量 6 , 5 0 0 ) 、 バイオラッ ド社製) を用いて、 7. 5 %から 2 0 % の濃度勾配のある ドデシル硫酸ナト リウム ( S D S ) —ボリァクリ ルアミ ドゲル電気泳動 ( P A G E ) で測定した結果、 分子量約 5 , 0 0 0ダルト ンであることが確認された。 この電気泳動の結果 を図 5に示す。
[0108] 試験例 神経栄養活性抑制活性の測定
[0109] 新生児ラッ 卜の大脳皮質より調製した細胞を、 ゼラチン一ポリオ ルニチンを塗布した 6 mmのミクロプレートに 1 . 7 X 1 04 個撒 き、 実施例 1 と同様の方法で得られたァルツハイマー病脳抽出液 を、 1 2 5 μ gZml濃度に調製した水溶液 1 0 0 1 を含む無血清 培地 M EMN 2 (イーグル基本培地にイ ンシュ リ ン、 トランスフエ リ ン、 プ ト レシン、 プロゲステロ ン、 亜セレン酸ナ ト リ ウムを添 加) に実施例 1 で得られた物質 2 O ngを加えた培地中で、 5日間、 5 %炭酸ガス培養槽中、 3 7でで培養した。 パラホルムアルデヒ ド と 9 0 %メタノール/ 5 %酢酸溶液で固定した後、 マイクロチュー ブル結合タンパク 2 (MA P 2 ) 抗体 (アマ一シャム社製) を使つ た E L I SAで、 MAP 2の量を定量した。 一方、 本物質を加えな いでアルツハイマー病脳抽出液を加えて培養した時の M A P 2の量 を定量し、 MAP 2の量が何%減少するかによって抑制活性を表わ した。
[0110] 上記方法を用いて、 G I Fの量と抑制率との関係を測定した。 結 果を図 6に示す。 図 6に示すように、 抑制活性は、 G I F 0. 2 H g/ml濃度で平衡となり、 その抑制活性は約 90%であった。 実施例 3 アミノ酸配列の分析
[0111] 実施例 1で得られた物質 200 μ gを、 常法により ピリジルェチ ル化した。 ピリジルェチル化した本物質 50 n gを常法により臭化 シアン分解した。 ピリジルェチル化した本物質を 0. 1 M ト リスー H C 1 (pH8. 0 ) 溶液 1 00 At 1に溶解し、 トシルフユ二ルァラ ニルクロロメチルケトン (TP CK) — 卜 リブシン (シグマ社製) またはエンドプロティナーゼ (endoproteinase) A s p -N (ベー リ ンガー社製) またはストレブ卜ミセズ ' オーレウス (S.aureus) V8プロテアーゼ (シグマ社製) 0. 5 μ gを加え、 37。Cで 5時 間反応させた。 以上の 4種類の方法を用いて得られたぺブチド断片 を、 それぞれ C 1 8逆相 H P L C ( 0〜80 %ァセトニト リル Z 0. 1 % ト リ フルォロ酢酸溶液) で分離し、 タンパクシークェン サ一 (アプライ ド · バイオシステム社 4 77 A型) にかけて分析 し、 得られ ピークの保持時間と標準物質のそれを比較解読して本 物質の全アミノ酸配列を決定した。 その結果、 G I Fは前記のとお りの全ァミノ酸配列を有することがわかった。
[0112] 塞 例 4 本遺伝子の分離 ヒ ト脳から抽出された G I Fのァミノ酸配列をもとに、 5'ATGGAT CCCGAGACCTGCCC, 5 ' CTGGCAGCAGCTGCACTTCTC の 2つのオリ ゴヌクレ ォチドを合成し、 これらをブライマーとして、 ヒ ト大脳より調製し た m R N Aを铸型にして、 逆転写酵素により c D N Aとした後、 ボ リメラ一ゼによる連鎖反応を行ない、 その反応生成物をブラスミ ド ベクタ一 pUC 1 9にサブクローン化し、 その塩基配列を前記のよう に決定した。 これは前記 G I Fのアミノ酸配列と一致することを確 した。
[0113] 正常ヒ ト大脳の m R N Aに対して作られた c D N Aライブラリー を用いて、 1 X 1 06 個のクローンをプレートに生育させ、 ニトロ セルロース膜に転写し、 上記のサブクローン化されたオリゴヌクレ ォチドを32 Pで標識したプローブを作製し、 これを 5 0 %ホルムァ ミ ド、 5 X S S C ( 0. 1 5 N a C 1 , 0. 1 5M クェン酸ナ ト リウム、 ρΗ7 · 0 ) を含むハイブリダィゼーシヨ ン液中で 4 2でに て 1 8時間、 上記二トロセルロース膜にハイプリ ッ ド形成させ、 そ の後フ ィ ルターを洗浄し、 最終的に 5 5 Cで 0 . 1 X S S C
[0114] ( 0. 1 5 M N a C 1 , 1 5 mMクェン酸ナト リ ウム、 pH 7. 0 ) ォ 一トラジオグラフィーを行ない、 上記プローブに対して特異的な c D N Aを 2 4個単離した。 この c D N Aの塩基配列を決定したと ころ、 6 8個のアミノ酸をコードする塩基配列の存在が見出された
[0115] (図 8 ) 。 '
[0116] 実施例 5 正常人およびアルッハイマー痴呆症の患者の脳からそれ ぞれ m R N Aを抽出し、 その 2 g をアルカリ変性ァガロースゲル 中で電気泳動を行ない、 その後ニトロセルロース膜に転写し、 上記 c DNAをプローブとして上記と同様のハイブリダィゼ一シヨ ン液 中で 42 °Cで 1 8時間ハイブリ ツ ド形成を行ない、 その後フィ ル 夕一を洗浄し、 最終的に 0. 1 X S S C , 0. 1 % S D S中で 65。Cで洗浄し、 オートラジオグラフィーを行なった。 その結果ァ ルツハイマー病、 正常脳において、 ともに約 50 Obpの大きさの m R N Aが認められ、 アルツハイマー病においてこの m R N Aの量 が減少していることが見いだされた (図 7) 。
[0117] 実施例 6 ヒ ト G I Fゲノム D N Aのクローニング
[0118] 実施例 4で得られたヒ ト G I F c DNAをプロ一ブとし、 コスミ ドヒ トゲノム DNAライブラリー ( p WE 1 5 ) をスクリーニング した。 反応は、 5 X S S C, 1 Xデン八ル卜 ( denhalt ' s ) , 1 0%デキス トラン硫酸, 5ひ%ホルムアミ ド, 20mMN a—ホス フェー ト中、 4 2 °Cで 1 8時間行なった。 反応後フ ィ ルターを 2 X S S Cで室温で 1 5分 2回、 さらに 0. 1 X S C C, 0. 1 % S D S , 55。Cで 1 5分 2回洗浄し、 フィルターのオートラジオグ ラムをとり、 プローブに対して反応するコスミ ドを探した。 その結 果、 陽性クローンを得ることができ、 サザンプロッ 卜ハイプリダイ ゼ一シヨ ンにより、 このコスミ ドに組み込まれた D N Aはプローブ と交差することが示された。 そこでこの DNA断片 (約 35Kb) の 全塩基配列を決定した結果、 G I Fゲノム DNAは図 9に示したェ クソン ' イントロン構造を示しており、 ェクソンとイ ン トロンの端 は図 9に示した塩基配列を示しているこ とが判明した。 また c D N A (ェクソン 1 ) の上流部分はヒ 卜 G I Fプロモーター領域 であって、 図 1 0に示した塩基配列であることが明らかになった c 実施例 7 ヒ ト G I Fの大腸菌における発現
[0119] 実施例 4で得られたヒ ト G I F c D N Aの G I Fをコードする領 域の上流 ( A T G上流) および下流に、 各々 N c o I および H i n d lllサイ トをもつブライマーを用いた P C R法によ り 、 N c o l および H i n d IIIサイ トを導入した。 次に、 このヒ ト G I F c D N Aを N c o Iおよび H i n d IIIで切断し、 得られた D N A断片をプラスミ ド P K K 2 3 3— 2 (フアルマシア社) の N c o I - H i n d III部位に組み込んだ (図 1 1 ) 。 この G I F発 現用プラスミ ドを大腸菌 J M 1 05株に導入し、 Am pr 株を選択 した。 次にこの大腸菌を培養し、 増殖が対数増殖期に入った時、 ィ ソプロピル - i3 -D- チォガラク トシド ( I P T G ) を 1 mMになるよ うに加え、 さらに 5. 5時間培養を続けた。 菌体を集め超音波処理 した後遠心して粗抽出液を得、 実施例 1に準じた方法により組換え 型ヒ 卜 G I Fを精製した。
[0120] 実施例 8 組換え型ヒ ト G I Fの神経栄養活性抑制活性
[0121] 実施例 7で得られた組換え型ヒ ト G I Fの神経栄養活性抑制活性 を、 実施例 2に示した方法を用いて測定した。 その結果、 組換え型 ヒ ト G I Fは天然型ヒ ト G I Fの約 1 1 0の活性を持つことが分 かった (図 1 2 ) 。
[0122] [図面の簡単な説明]
[0123] 図 1は、 正常ヒ 卜大脳皮質をホモジナイズして限外ろ過し、 分子 量 1 0キロダルト ン以上の画分を D EA E—セルファセルカラムに かけたクロマ トグラムである。
[0124] 図 2は、 G I Fの精製過程において、 神経栄養活性抑制活性を有 するフラクショ ンをゲルろ過したクロマ 卜グラムである。
[0125] 図 3は、 G I Fを C 1 8逆相 H P L Cにかけたクロマトグラムで ある。
[0126] 図 4は、 G I Fの紫外部吸収スペク トルである。
[0127] 図 5は、 G I Fの S D S— PAGEの電気泳動パターンを示す。 図 6は、 G I Fの量と神経栄養活性抑制率との関係を示すグラフ である。
[0128] 図 7は、 G I F c D NAをプローブとしたサザンブロッ ト解析の 結果を示すクロマトグラムである。 アルツハイマー病患者 ( 1、 2 ) において神経栄養活性抑制物質の m RN A量が正常人 (3、 4) に比べて減少していることを示す。
[0129] 図 8は、 G I Fをコードする c D N Aの塩基配列およびアミノ酸 配列を示す。
[0130] 図 9は、 G I Fゲノム DNAのェクソン ' イ ン トロン構造の塩基 配列を示す。
[0131] 図 1 0は、 G I Fプロモーター領域の塩基配列を示す。
[0132] 図 1 1は、 G I F発現用プラスミ ドの構築の模式図を示す。
[0133] 図 1 2は、 組換え型 G I Fの神経栄養活性抑制活性を示すグラフ である。
权利要求:
Claims 23 請求の範囲
1. 神経栄養活性抑制作用を有する蛋白質 (G I F) をコードする D N A。
2. 次のアミノ酸配列を有する G I Fをコードする請求の範囲第 1項記載の DN A。
Met Asp Pro Glu Thr Cys Pro Cys Pro Ser Gly Gly Ser Cys Thr Cys
1 5 10 15
Ala Asp Ser Cys Lys Cys Glu Gly Cys Lys Cys Thr Ser Cys し ys し ys
20 25 30
Ser Cys Cys Ser Cys Cys Pro Ala Glu Cys Glu Lys Cys Ala Lys Asp
35 40 45
Cys Val Cys Lys Gly Gly Glu Ala Ala Glu Ala Glu Ala Glu Lys Cys
50 55 60
Ser C s Cys Gin
65 6δ
3. G I Fをコードする D N Aが、 次の塩基配列を有する請求の範 囲第 1項記載の D N A。
ATG GAC CCT GAG ACC TGC CCC TGC CCT TCT GGT GGC TCC TGC ACC TGC 48
GCG GAC TCC TGC AAG TGC GAG GGA TGC ΛΛΛ TGC ACC TCC TGC AAG AAG 96
AGC TGC TGC TCC TGC TGC CCT GCG GAG TCT GAG AAG TGT GCC AAG GAC 144
TGT GTG TGC ΑΛΛ GGC GGA GAG GCA GC丁 GAG GCA GAA GCA GAG AAG TGC 192
AGC TGC TGC CAG 20
4. 請求の範囲第 1項ないし第 3項のいずれか 1項記載の D N Aを 含む組換えベクター。
5. 請求の範囲第 4項記載のベクターを保持する形質転換体。
6. 請求の範囲第 5項記載の形質転換体を培地に培養す: δことを特 徴とする G I Fの製造法。
7. G I F遺伝子のプロモーター領域を有する組換え DNA。
8. プロモーター領域が、 ヒ ト由来のものである請求の範囲第 7項 記載の組換え DNA0
9. プロモーター領域が、 次の塩基配列を有するか、 あるいはその 一部を有する請求の範囲第 7項記載の組換え D N A。
GAATTCTAGA ATGAAGGGGA AGAGAGGCAG GGAAGAGCTG GGAAATACGC AAAGCGCCTT TTTCTCCACT TTCGGAGATG GTACGTGCGC GCTTCCACGC AGTGGCGGCT GCTGCGGCGA GCACGTCCCT GCGGGACCCA CGCGGGGAGT GGGCTGGCAG TCGCGGGATA GCGGCGGCGA GTGGGTCGTG CACGCGGATG CGGGGTCCCA GTGGGGGCGC ACGCGCGGGC GTGGGCGAGC GGGCCCCGGC AGTGCACACA CACGGCAGGG GCGGGGCGAC AGATGCAGTC GTGCGCCGGA GCCCAAGCGC ACAAACGGAA AGAGCGGCCG GTGGCGGAGG GGCGGGCCCC AGCGGGCTTG GCATGCGCGC CCCCGCCCGA GGCTATAAAA GCATCGCCAC CTGCTGCCAC TAGCCAAGCC GCGCGT
1 0. 請求の'範囲第 7項記載の組換え D N Aを含む組換えべク ター。
1 1 - プロモーター領域の下流に構造遺伝子を連結している請求の 範囲第 1 0項記載の組換えべクタ一。
1 2. 請求の範囲第 1 0項または第 1 1項記載の組換えベクターを 保持する形質転換体。
类似技术:
公开号 | 公开日 | 专利标题
Chaput et al.1988|The neurotrophic factor neuroleukin is 90% homologous with phosphohexose isomerase
Ernfors et al.1989|Expression of nerve growth factor receptor mRNA is developmentally regulated and increased after axotomy in rat spinal cord motoneurons
Haas et al.1993|Differential expression of immediate early genes after transection of the facial nerve
AU704384B2|1999-04-22|Hypoxia inducible factor-1 and method of use
Jiao et al.1993|Long-term correction of rat model of Parkinson's disease by gene therapy
US5773586A|1998-06-30|Conjugates comprising truncated keratinocyte growth factor | having increased biological activity and a toxin
KR100205078B1|1999-06-15|염기성 섬유 아세포 성장인자 및 이의 생산방법
TW538049B|2003-06-21|A novel human osteoclastogenesis inhibitory factor and a process for preparing the same
CA2024629C|2001-07-24|Xenopus laevis bone morphogenic protein, dna encoding same and use thereof
US7056680B2|2006-06-06|Antibodies to claudin-50 polypeptide
Kaplan et al.1991|Molecular Cloning and Expression of Biologically Active Human Glia Maturation Factor‐β
JP2006508049A|2006-03-09|増殖因子βタンパク質を形質転換するための可溶化賦形剤としてのペプチド
KR100631766B1|2006-10-09|폴리펩티드, 그 폴리펩티드를 암호화하는 cDNA 및그들의 용도
US6365725B1|2002-04-02|DNA coding for a human vasoconstrictive peptide and use thereof
TW302369B|1997-04-11|
US20010012628A1|2001-08-09|sbgFGF-19a
US5641497A|1997-06-24|Gastrointestinal defensins, cDNA sequences and method for the production and use thereof
US20030032609A1|2003-02-13|Methods of modulating of angiogenesis
HU0301829A2|2003-08-28|A nogo-géneknek megfelelő nukleotid- és aminosav-szekvenciák, valamint az ezeken alapuló eljárások
US20040034192A1|2004-02-19|Human proteins having hyprophobic domains and dnas encoding these proteins
US20020010324A1|2002-01-24|Novel compounds
WO1998045434A1|1998-10-15|Novel human delta3 compositions and therapeutic and diagnostic uses therefor
JPH09509846A|1997-10-07|トランスフォーミング成長因子αH1
JP2003159083A|2003-06-03|新規な神経栄養因子
CA2297109A1|1999-02-11|5' ests for secreted proteins expressed in muscle and other mesodermal tissues
同族专利:
公开号 | 公开日
DE69131140D1|1999-05-20|
US5489514A|1996-02-06|
EP0567645A1|1993-11-03|
EP0567645A4|1996-03-13|
CA2077350A1|1992-06-14|
AT178941T|1999-04-15|
EP0567645B1|1999-04-14|
DE69131140T2|1999-10-14|
JP3172530B2|2001-06-04|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
1992-06-25| AK| Designated states|Kind code of ref document: A1 Designated state(s): CA JP US |
1992-06-25| AL| Designated countries for regional patents|Kind code of ref document: A1 Designated state(s): AT BE CH DE DK ES FR GB GR IT LU MC NL SE |
1992-09-01| WWE| Wipo information: entry into national phase|Ref document number: 2077350 Country of ref document: CA |
1993-07-07| WWE| Wipo information: entry into national phase|Ref document number: 1992900601 Country of ref document: EP |
1993-11-03| WWP| Wipo information: published in national office|Ref document number: 1992900601 Country of ref document: EP |
1999-04-14| WWG| Wipo information: grant in national office|Ref document number: 1992900601 Country of ref document: EP |
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
JP2/410165||1990-12-13||
JP41016590||1990-12-13||DE1991631140| DE69131140T2|1990-12-13|1991-12-13|DNA welche für einen Inhibitor der neutropen Aktivität kodiert und seine Verwendung|
JP50176392A| JP3172530B2|1990-12-13|1991-12-13|神経栄養活性抑制物質をコードするdnaおよびその用途|
EP19920900601| EP0567645B1|1990-12-13|1991-12-13|Dna which codes for neurotrophic activity inhibitor and use thereof|
[返回顶部]